教育投資・・・時間的側面
「僕を天才という人がいますが、僕自身はそうは思いません。毎日血のにじむような練習を繰り返してきたから、今の僕があると思っています。僕は天才ではありません。」マリナーズ・イチロー選手の言葉より
最近よく頂戴する質問で「どのくらいの期間受験勉強すれば私立中学に合格できますか?」というものがあります。その方に対し私が「あなたはどのように思いますか?」と質問します。返ってくるお返事はバラバラで「3ヶ月」「1年」「2年」「3年」「6年」という具合です。
さすがに3ヶ月とか半年とかいう返事には、ひっくり返りそうになりますね。
一般的な話で、「一流になるために必要な練習時間数は1万時間」と言われています。「1万時間、努力や練習をすればそれなりの実力が身に付く」ということです。1万時間という数字が本当かどうかは別にして、このくらいの努力ができてはじめて一人前の評価が得られるということであると思います。つまり期間ではなく時間が基準となるわけです。
ピアノで一流になるためにも1万時間の練習と言われています。1日2時間の練習だと5000日、約14年弱です。1日4時間の練習であればその期間が7年になります。逆に1週間に1時間であれば100年以上の期間が必要になります。
小学校1年生から6年生までに学校で受ける授業時間数は約4300時間(昨年からは約4400時間に増えました)。これに家庭学習の1日1時間×365日×6年=2190時間を加えてもまだ1万時間には足りません。普通の小学生が一流になるためには、あと約3500時間の学習時間が必要となってきます。(3500時間÷6年÷365日=)1.6時間、つまり1時間36分必要になります。小学校での勉強以外に1日2時間36分の勉強を6年間続けると一流になるということですね。そんなに大変ではないですね。
我が家の話で恐縮ですが、長女の例でお話すると、3才から11才までインターナショナルスクールで過ごしました。授業日数は年間200日程度、1日当たりの学校での授業時間は5時間、これを合計すると8年×200日×5時間=8000時間となります。実際はこれに家庭で行う宿題の時間数が8年×200日×1.5時間=2400時間程度加わり、1万時間を越えました。この結果インターナショナルスクールをやめる5年生終了時点で、英検準1級・TOEIC845点という、英語に関しては多くの企業での海外勤務基準を上回るレベルになりました。つまり一人前の評価が得られる実力を備えたということです。
では中学受験で勝つためにはどのくらいの学習時間が必要か考えてみましょう。
小学校の6年間で4400時間の授業がありますので、1万時間まで残り5600時間ですね。これを2年間で割り算すると、1日7.7時間弱の時間が必要です。3年間で割ると、5.1時間の時間が必要です。
私の経験上でも受験勉強を初めてから2000時間〜3000時間で学力が上昇する傾向がみられます。冷たい言い方をすれば2000時間の学習を終えないと偏差値の変化があまり見られない可能性が高いということです。
この2000から3000時間というのは1万時間の法則から言えばずいぶんと楽な時間数であると思います。月曜日から金曜日までは1日4時間、土曜日と日曜日は1日8時間の学習を4週間実施すると月間144時間、1年で1728時間です。これを5年生と6年生の2年間だけ努力しても合計3456時間になり、学力ブレイク(一気に偏差値がアップする状態)が起こる可能性が高まります。
2000時間の受験勉強を乗り切ること、これが受験生だけでできるのか、保護者や塾の管理の下に行うのか、方法は様々ですが、この山を登り切るまでは偏差値の上昇はないものと考えないといけないでしょう。
親としても子どもの頑張る姿を最低2000時間見守る・あるいは一緒にがんばる必要があるということです。その間は成績の上下に一喜一憂すべきでなく、子どもを信じて応援する必要があります。
« 我が家のテレビ・・・見始めたのはここ数年。 | トップページ | 卒塾した諸君・・・教室に遊びに来てくれました。 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 要学院です。(2023.02.25)
- 正月特訓開講中(2022.01.02)
- 明けましておめでとうございます。(2022.01.01)
- 冬期講習中の小さな楽しみ(2021.12.27)
- The Beatles(2021.10.31)
« 我が家のテレビ・・・見始めたのはここ数年。 | トップページ | 卒塾した諸君・・・教室に遊びに来てくれました。 »
コメント