問題を解くこと(要学院通信より)
お忙しい中、カリテ返却面談においでいただきありがとうございました。
カリテでミスした問題を解いてくることが、全教科全員への宿題です。
しっかりと取り組みましょう。
問題を解く、宿題を解くということに関して、要学院塾長は以下のように考えています。
(1)読み散らかさない
(2)解き散らかさない
(3)丁寧に解く
たくさんの宿題を出す塾は、「受験勉強の丸投げ」に等しいと思います。塾で例題を数問解説し、「じゃあ残りの50問は家でやって来ること」。これが丸投げだというのです。例題は易しい問題、宿題は難しい問題。難しい問題を一人では解けない受験生はどうするのでしょうか?
丸投げ塾の先生は、「解説をしっかりと読むのも受験勉強」というのですが、解けない生徒は解説を読んでも理解できません。
その結果、勉強しない生徒もでますし、いい加減に解く生徒も出ますし、答えを暗記する生徒も出ますし、お母さんが家庭教師化することもありますし、本当に家庭教師を付けるご家庭もあります。
これでは、何のための塾かわかりません。
大手の塾で使うテキストは、10年前と比べても難しくなっています。それは、入試問題で超難問が出題されることがあるからです。25問の中の1問のおかげで受験テキスト全体が難しくなる。その難しいテキストを丸投げする塾。
その結果、できる生徒はどんどん解いてレベルアップしていきますが、その逆の生徒は基礎的な問題も解けなくなってしまいます。そして、合格する生徒は全ての学校で合格するし、合格できない生徒は徹底的に合格できない状態が生まれます。
また、1から10までお膳立てをしてもらって受験を乗り切った生徒は、中学校生活でもお膳立てをしてくれる塾が必要といわれることもあります。なにごとも至れり尽くせりでは、子どもが成長しないかもしれませんね。
さて、生徒が問題を(1)読み散らかさない(2)解き散らかさない(3)丁寧に解くために、要学院では何を考えているのでしょうか。
(1)精神年齢(=学力年齢)に見合ったレベルの宿題を出し、お母さんの手助けがあまり必要ないようにする。
(2)毎日のルーティンワークをはっきりとさせ、生徒自身が学習できるようにする。
(3)保護者の役目の大半が時間をコントロールするマネージャー役であり、家庭教師役は降りるようにする。
生徒諸君を指導していて、一番怪しいのが、「宿題は家でお母さんに教えてもらったからできた」なのです。理解したのは指導してくれたお母さんであって、教えてもらった生徒は次の日には忘れている可能性が高いです。
1つの問題を丁寧に解くことを要学院では要求しています。
6年生には、今後、解けない問題は「問題を書き写す」ことから要求します。そして、できない問題1問あたり10分から15分は考えましょう。考える作業が受験勉強です。考えることによって、能力が高まります。自分で考えること、そしてそれでもわからなかったら、誰かに聞くこと。その繰り返しが受験勉強です。自分の頭で考える作業をすっ飛ばすと学力は上がってきません。
丁寧に問題を解くこととは、そういうことなのです。丁寧に問題を解いてもらいたいので、要学院では、宿題の量も考えています。宿題の量が増えると、食い散らかしが増えます。食い散らかしでは学力アップは望めません。
また、5年生に要求することは、受験勉強をする上で重要な基礎学力養成です。それは、計算・漢字や語句・地理や歴史では固有名詞に相当しますし、理科では小学校で学習する内容です。
例えば、次週学習する「小数のわり算であまりが出る場合」。入試でも出題されることがあります。なぜなら、小学生がミスしやすい計算だからです。計算力がない受験生は危険ですから、要学院ではしっかりと学習させます。単純な反復練習なので、生徒諸君は「めんどくさい」と思うかもしれませんが重要なのです。そして、絶対にミスしない、100%正解が出せるまで訓練する必要があります。
大手塾では、計算力があることを前提に学習が進んでいきますので、この部分の演習量は少なめです。
5年生にはルーティンワークの確認と、見本となる学習時間の表を近いうちにお知らせしますのでお待ちください。我々が5年生のお母さんに望むことは、お子様の学習時間のコントロールをしていただくことで、家庭教師となっていただくことは2番目の位置づけです。
最後に、「よい家庭教師は、生徒が考えている間、読書でもしながら見守ってくれる家庭教師である」と言われています。