小学生であっても、英語力や学力が基準以下であれば容赦なく留年させるNIS。それはつまりは、NISで努力する生徒達は国籍に関係なく英語力でも学力でも一定の基準(ここで学ぶ小学4年生が米国へ行っても小学4年生のクラスでやっていける)以上にあるわけです。
仕事柄、ある程度の努力さえさせれば、南女・東海・滝以外の学校には合格できることが分かっていましたので、我が家の娘は中学からは私立中学校へ通い、そこから東大を目指すという方針に切り替えました。
多少の不安は、小学6年生で英語漬けの環境から抜け出した場合に、英語力が維持できるかどうかという問題でした。小学校3年生程度で英語漬けをやめてしまうと、物の見事に英語力が低下してしまう話しはよく聞いていましたから。結論から言えば、小6まで英語漬けを続ければ全く問題なく、英語力をキープできました。但し、中学1年生から3年間は、イーオンに週1回通わせました。もちろん最高レベルのクラスになり、クラスメイトは大人ばかりです。ですから、バカなことを言っても(英語力はあってもまだまだ中学生だということで)許してもらえたことがたくさんあったと思います。(慶応大学の英語の授業がこのイーオンのときのようだという感想を娘から聞いています。)
「NISに行っていました」だけでは、「NIS?? 何それ???」と世間に通じないところが大なので、5th Gradeの時、英検準1級を受検させましたが、余裕で合格できました。同時期に受験したTOEICは840点強であったと思います。しかし何よりの強みは、今すぐ英語圏に行っても会話に不自由することなく生活できるという点であったわけです。
このように努力したにも関わらず、一部の私立中学での評価は芳しくありません。受験させてもらえない学校もありましたし、朝鮮学校の生徒も受験させたからアメリカンスクールも大丈夫だよというお返事を頂いたりもしました。受験できるのはうれしいのですが、「英検準1級とTOEIC840点を超える英語力を持った子どもが朝鮮学校出身者と同じ扱いかぁ・・・。時間的にも金銭的にもかなりの投資を行っているんだけれどナァ・・」というのが親としての率直な感想です。
高校生になってからは、取り立てて英語の勉強はしていなかったのですが、高校2年生の時に、英検1級取得とTOEICは965点を獲得しました。この英語力で受験したセンター試験は筆記が200点(満点)、リスニングが48点(1問ミス)という結果です。中1から高3まで受験してきた模試で、リスニングをミスしたことはなく、これが初のミスだったのですが、高校の先生からは「すごいね!!」と褒められたと娘は嘆いていました。
また東大の二次試験英語は97点(120点満点ですから80.8%です)でした。1日目の数学を失敗したので、英語で挽回しようとしすぎたのでしょうか、英文和訳を解答用紙に書いている途中で終了時間が来てしまったらしいのです。試験前に、1日目の失敗を2日目の英語で取りかえそうとしないように注意しておいたのですが・・・。慶応法学部の英語は自己採点で180点程度(200点満点。合格最低点は今年度243点で英語の受験者平均点は98.2点)と言ってました。このような話しを高校の先生にしてあげたかったのですが、聞かれもしませんでしたし、申告する制度もないのでしていませんが、後輩諸君のためにはもったいないことだと思います。
NIS出身の生徒であれば、だれもが我が家の娘程度の英語力を持っていますので、日本の大学を受験しても、早慶の合格はたやすいのではないでしょうか?さすがに国立になると一般入試では科目数の多さで敷居が高くなりますが・・・。
娘は残念ながら東大には失敗しましたが、慶応は(大きな声ではいえませんが、センターが終わってから初めて慶応の過去問を解きました)合格することができました。慶応の合格はNISで培った英語力であったと家族全員が思っています。
近い将来、国立大学入試においてもTOEFLやTOEICが加味されるとの発表が文部科学省よりあったようですが、日本の大学入試制度において、英語力のあるなしが合否を決める重要要素であることは、娘の受験を通じてますます実感しました。